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ここは当サイト■Leo■の日常話や今後の更新予定などをしていく場所です。 同人的要素が含まれますので、苦手な方でもし迷い込んできてしまったなら、すぐにバックすることをお勧めします。
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2025/06/29 (Sun)
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2009/01/05 (Mon)
以下は前回のジノ×俺スザクパラレルSSの続きみたいなものであると、いいな・・・です(どっちだ)
え~、そんなのあったっけ?私知らないぞ??と思う方は先に12/21の日記を参照してください。

一つのお話を完結させることがこれほど困難なものだったとは…!
しかもまだ終わらないっていうこの体たらく…!!

キャラねつ造平気でしちゃってるので、苦手な方はバックプリーズの方向でお願いします。




■歯車(中)■

我に返ったジノが見ると、女の背後にはいつの間に現れたのか小柄な人影があった。
どうやらその人物が女の肩を掴み、動きを止めたらしい。

「…邪魔しないでよ」

女が不満そうに抗議したが、肩に置かれた手はそのままだ。
それどころか、その手にぐっと力が込められ女はジノから引きはがされた。
女がジノの目の前から退いたことで、彼にも乱入者の姿が見えるようになった。

…小さい。

それがジノの第一印象だった。
背丈はジノの肩くらいしかなく、顔立ちもあどけない。
どうみても10代半ばの少年である。
やや薄汚れてはいるが象牙色の肌と彫りの浅い目鼻立ちは東洋人特有のものだ。
しかし、くしゃくしゃになって鳥の巣のようになっている栗色の髪と深い緑色の瞳は、東洋人は黒髪黒目が一般的だというジノの常識を裏切っていた。
もはや布切れ、といったほうが相応しいほどボロボロになったトレーナーとジーンズ、そして擦り切れて色褪せたブーツを身につけている。

そんな風に状況把握に努めるジノに構うことなく、少年はつかつかと近寄ると彼の腕を掴んで歩き出した。

「お、おいっ…」

「道案内。こっちだ」

慌てて己の腕の自由を取り戻そうとしたジノだったが、この小さな体のどこにそんな力があるのかびくともしない。
それどころか痛いほど掴まれた腕に力を込められ、そのままぐいぐいと引っ張られる。
その事実にかなりのショックを受けているジノのことなど気にもとめず、少年はただまっすぐ前を見てずんずん歩いていく。

「ちょっとお待ちよ!その子はこっちの獲物なのよ!?」

背後で女の金切り声がした。
すると、少年はぴたりと立ち止まり、後ろをゆっくりと振り返った。

「…こいつはやめておけ。相手が悪い」

「どういう意味よ」

「そのまんまの意味だ。とにかく、ここは俺の縄張りなんだ。これ以上厄介ごとを引き起こす気なら…怒るぞ」

そう言い終わると、話は終わったと言わんばかりに少年は再び前を向き、さっさと歩き出した。
ジノは為すすべもなくそのまま引きずられ、一度だけ振り向いた時には既に女の姿は消えていた。

「ねぇ、おい…ちょっと待てってば!」

仕方なしに少年に合わせて歩いていたジノだったが、段々我慢がならなくなってきて、掴まれていた腕を思い切り振り払った。
ようやく腕の自由を取り戻せたが、こちらを振り向いた少年の顔は酷く不機嫌そうだ。

「なんだよ、助けてやったのに。礼の一つも言おうとか思わないのか?」

「礼?何でだよ?」

強く掴まれすぎたため、痣になってしまった箇所を撫でながら言い返す。

「お前なぁ…あそこで俺が乱入してなきゃ、あの女の餌食になってたんだぞ?」

「女性に手込めにされるほど私は初じゃない」

むっとしてジノがそう言い返すと、途端に少年は不機嫌そうな表情を引っ込め、やれやれと溜め息をついた。
やけに大袈裟に肩をすくめるところが妙にジノのかんに障る。

「ったく、これだから世間知らずのブリキってのは…そういう意味じゃなくて。あいつはここらの界隈を牛耳ってる奴の女なんだよ。あのまま流されてたら、『俺の女に何してやがる!』って言いがかりつけられてボコボコにされたあげく身ぐるみ剥がされて、そこらのゴミ捨て場に捨てられるってのがオチだ。ベタだけど、ブリキの男達は結構引っかかるな」

「そ、そうだったのか…」

「そう。特にあんたみたいな世間知らずの毛並みのいい奴が狙われる…まぁ、あんたはちょっと違うかもしれないけど」

「どういう意味だ?」

ジノが訝しげに少年を見ると、彼の口元が歪み、にやり、という効果音がよく似合う人の悪い笑みが浮かんだ。

「あんた、『騎士』だろ。身のこなしが他の奴らと全然違うからすぐにわかったよ。そこらの奴じゃ相手にならないだろ」

「じゃあ、何で助けてくれたんだ?」

「あの連中って、結構根に持つタイプが多いんだよ。やられた分は倍返しってのがお決まりでさ。いくらあんただって、100人の屈強なおっさんに囲まれたらどうなるかわからないだろ?」

「…気持ち悪いこと言わないでくれ」

リアルに想像してしまった。
胸のむかつきを覚え若干青ざめているジノの背中を遠慮なく叩き、少年は屈託なく笑った。

「はは、悪い悪い。でも本当のことだからさ。さっきも言ったけどあそこは一応俺の縄張りだから、騒動起こされると面倒なんだよ。一人をボコボコにするのは弱いものいじめみたいで正直好きじゃないし…っと。ほら、着いたぞ」

少年が指差した先には、先程までジノがいた歓楽街が見えた。
見覚えのある場所にやっと来ることができた。
ここまでくれば、もう大丈夫だろう。

「あぁ、ありがとう、助かったよ。えっと…」

そこまで言いかけて、ジノはこの少年の名前をまだ聞いていなかったことに気がついた。
言葉がとぎれたジノの様子に理由を察したのだろう、少年は自ら名乗った。

「あぁ、俺はスザク。枢木スザクだ」

「そうか…ありがとう、スザク」

「いいよ、別に。それより、ちょっと屈んでくれるか?」

「?何故?」

「何でもいいから。ほら、早くしろよ」

仕方なくジノは膝を曲げ屈んでみせ、スザクと視線を合わせてやる。
するとスザクはにっこりと微笑み、そっとその手をジノの頬にあてた。
寒さですっかり冷え切った頬に人肌の暖かさは心地よく、ジノは目を細めた…が次の瞬間、スザクに耳を思いっきり引っ張られ、その痛みに思わず悲鳴をあげた。

「っ痛ぇっ!!何すんだよスザク!」

思わず涙目になってしまったジノの非難など気にもとめず、スザクは満足そうにけらけらと笑っている。

「ま、『これ』は助けてやったお礼ってことで!じゃあな、もう面白半分でこんなとこ来るなよ!」

言いたいことだけ言うと、スザクはきびすを返しあっという間に貧民区の方向へ走り去っていった。

速い。
あんな足の速い人間は、軍でもそうそう見かけないのではないか。

そんなことをぼんやりと考えながら、ジノはまだひりひりと痛みを訴える耳たぶに触れたが、ある事実に気がつき全身から一気に血の気が引いた。

……ない。
その右耳にしっかりと嵌められ、燦然と輝いていたはずのイヤーカフスが無くなっている。
いや、盗まれていた、といった方が正しいか。

―白ロシアで見かけましたの。あなたに似合うかと思って…あら、遠慮しなくていいのよジノ。さっさと嵌めなさいな。別に毒針なんて仕込んでないんだから…ほら、やっぱり似合うじゃない。大事になさってね……もし、万が一にでも無くした、なんてことになったら…ただじゃ済まさなくてよ?―

ふとジノの脳裏に、にっこりと聖母のように微笑みながら、その背には閻魔の炎を背負っていた同僚の姿が過ぎった。
もしこれを失した、なんてことが知れたら…想像するだけでも恐ろしい。
とりあえず五体満足ではいられないだろう。

「モ、モニカに殺される…!」

慌ててスザクが走り去った方向を見やったが、既に泥棒小僧の姿は影も形もない。
闇雲に探しまわっても、また迷子になるのが関の山だろう。

「どうすりゃいいんだよ…?」

はぐれたはずのオレンジ頭の同僚が怒り心頭で駆け寄り、背中に跳び蹴りを食らわせるまでジノは顔面蒼白のまま、ただ呆然と立ち尽くすしかなかった。


 ■スザクさんは大変なものを盗んでいきました。
それはジノのイヤーカフスです。
てか俺スザクキャラ崩壊も甚だしいですね…あとモニカさんも。
次回でけりを付けるのでどうかご勘弁を!

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角川ビーンズ文庫「○マシリーズ」、サンライズアニメ「コードギアス」が大好きな学生です。現在はコンユと枢木スザクさんにのめりこんでおります。
好きなものはラーメン、あられせんべいからみしょうゆ!!
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