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ここは当サイト■Leo■の日常話や今後の更新予定などをしていく場所です。 同人的要素が含まれますので、苦手な方でもし迷い込んできてしまったなら、すぐにバックすることをお勧めします。
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2025/06/29 (Sun)
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2009/03/07 (Sat)
というわけで、お久しぶりです、管理人です^^

…というか、すみません復活するのが遅すぎて…!
ネサフは欠かさずしていたものの、絵を描く暇がなかなかとれなかったのです、すみません…。
1か月以上放置していたのにもかかわらず、覗きに来てくれた方、ありがとうございます!

一時期のように頻繁に更新するのはさすがに無理ですが、ネタのストックはあるので少しずつ消化していきます。

まずは来週の春コミで萌えを補給だ!

「続き」から3/7記念と称して、何とかひねり出したジノスザ小話です。
…例によってジノが情けないのでかっこいいジノ以外はノーセンキュー!な方はバックをお勧めいたします。




■忠犬ジノ■

2匹の犬が無邪気に戯れている。
仲良くお互いに顔をすり寄せて、まるで恋人同士のようだ。
その尻尾は機嫌良さそうに勢いよく振られている。

なかなか微笑ましい光景だが、そこに邪魔者が現れた。

犬の飼い主達が、それぞれの飼い犬のリードを引っ張って歩きだそうとしたのだ。
当然犬達は引きずられていくのだが、別れがたいらしく、彼らなりに精一杯抵抗しているようだ。
必死に地面に爪を立て、踏ん張りながら懸命に抵抗している。

が、彼らの抵抗などものともせず、飼い主達は力任せにリードを引っ張っていく。

やがて、犬達はなすすべもなく別々の方向へ引きずられていった。
それでもまだ諦めきれないらしく、きゃんきゃんと必死に吠えている様はまるでお互いの名前を叫びあっているようだった。

そんなどこか切なさを感じさせる光景を愛用の携帯で記録しながら、アーニャはふと気がついた。
はて、どこかで見たような光景だ。
いったいどこでだろう。

その疑問はすぐに解決された。


「ヴァルトシュタイン卿!今日は私はオフだったはずでしょう!?」

「だから、さっきから言っているだろう!ブラッドリー卿が今朝急用が入ったとかで、作戦に参加できなくなったのだと!だから貴公に…」

「嫌ったら嫌です!私はあの残虐鬼畜吸血鬼野郎の埋め合わせなんてしたくありません!それに…今日はスザクとデートする日って1ヶ月前から決まってたんですから!絶対行きませんからね私は!」

年功序列なんてまるで無視して、帝国最強12騎士の一人、ナイトオブスリーであるジノは自分より明らかに目上な存在のはずのナイトオブワン、ビスマルク・ヴァルトシュタイン卿に向かって怒鳴っていた。
犬歯をむきだしにして獰猛な目つきで相手を睨みつけている様は、まるで毛を逆立てて威嚇する大型犬そのものだ。
普段の明るく気さくで陽気なジノからは想像もできないような豹変ぶりにが、相対しているビスマルクもやや困惑気味だった。

そんなピリピリと張り詰めた緊迫感が漂う中、そんな空気も物ともせず、呆れたような声がジノの腕の中から発せられた。

「ジノ、いい加減にしなよ。諦めてさっさと行っておいで」

同じくナイトオブセブンの枢木スザクである。
そのスザクの声を聞いたとたん、ジノの眉が情けなく下がった。

「でもスザク!今日は私達が待ちに待った久々のデートなんだぞ!?私はこの日のために、数週間前からず~っとプランを組んでて…」

 「はいはい、君プロデュースのデートコースを今日堪能できないのはとても残念だよ。でも仕事だから仕方ないよね?というわけで、行ってらっしゃい」

「でも…」

「…しつこいよ、ジノ?」

「えっ、ちょ、スザク!?」

いつまでもだだをこねるジノがいい加減うっとおしくなったのか、それまでの宥めるような優しい声から一転、スザクの声音が地をはうような低いものとなった。
と同時に、スザクはそれまで大人しく収まっていたジノの腕から素早く抜け出し彼の背後に回ると、勢いよくその背中を突き飛ばした。
当然ジノの体は前のめりになるが、そこは持ち前の反射神経でなんとか踏みとどまり、ジノは突然何すんだとスザクの方を振り返ろうとしたが、その時。

「観念するんだな、ジノ・ヴァインベルグ!」

それまで空気と化していたビスマルクが、ここぞとばかりに動いた。
彼はその多くの血を吸ってきただろう太く逞しい腕を駆使し、獲物の尻尾を掴んだのだった。

「いってぇ~っ!!ちょ、どこ掴んでるんですか!?痛いですって!」

自分のチャームポイントともいうべき、自慢の金色の三つ編み三本を情け容赦なく掴まれたジノはすでに涙目だ。
なんとかビスマルクの手から逃れようともがいているが、流石に帝国最強騎士ナイトオブワンの称号は伊達ではない。
ビスマルクは渾身の力をこめてジノの三つ編みを握りしめ、己の方に力任せに引っ張っている。
このままではジノの髪の毛はただではすまないだろう。

というか、ぶちぶちという嫌な音がかすかにしていることから、既にジノの髪の毛は何本か引きちぎられているらしい。

「さぁ、ジノ!このままお前のお下げを根元から引っこ抜かれたくなければ、大人しく任務についてもらおうか!」

そう宣言すると、ビスマルクは三つ編みを掴んだままずるずるとジノを引きずっていく。

「痛い痛い、痛いですってば!ってか見てないで助けてくれよスザク!おいスザク!スーザークー!?」

そこでいい加減諦めればいいのに、ジノはまだ未練がましくスザクの名を叫び、必死に彼のほうに手を伸ばしている。
が、肝心のスザクはというと、ひらひらと手を振るだけで助ける気はさらさらないらしい。

「いい加減にしないかジノ!」

「嫌です!私はずっとスザクの傍にいたいんです!スザク~!スザクっては!ねぇ、ちょっと!スザクスザクスザクゥゥゥ!!」

スザクの名を叫びながら為すすべもなくずるずると引きずられているジノの姿は、アーニャが見た昼間の光景を彷彿とさせた。

試しに愛用の携帯を取り出し今撮影したばかりのジノの姿と、昼間の犬たちの写真を見比べてみると、犬と人という種族の違いはあれどよく似ている。
まぁ、人間の方は完全な一方通行なので、感じる切なさは倍かもしれないけれど。

「アーニャ、さっきから何見てるんだい?」

じっと携帯を見つめたまま動かないアーニャが気になったのか、スザクが声をかけてきた。

「これ、似てるでしょ?」

「…ほんとだ、そっくりだね」

スザクに2枚の画像を見せると、彼はかすかに微笑んだ。
仕方ないなぁ、とでも言いたげな表情だ。

「ほんと、こんなに頑張って抵抗なんかしないで、大人しく諦めればいいのにね」

そんな呆れたようなスザクの言葉に、アーニャは携帯から顔を上げた。

「確かにそうかもしれない…でも」

「アーニャ?」

そこで一旦言葉をきると、アーニャは再び携帯の画面へと目線を移した。
そこに写っているのは二つの画像。
飼い主に連れて行かれまいと地面に爪を立てて踏ん張る犬の姿と、ビスマルクにお下げを引っ張られ涙目になりながらも、必死にスザクの方に手をのばすジノの姿。

それはとても格好悪くて、みっともなくも見えるだろうが、どこか微笑ましさも感じさせる。

なぜなら。

「…それだけ相手のことが大好きで、離れたくないってことだと思う」

「…………」

スザクは何も答えなかった。

こっそりと彼の様子を窺ってみると、スザクはアーニャから僅かに顔を背けていたのでその表情はわからない。
だが栗色の巻き毛からのぞく耳元と頬が僅かに朱に染まっていることから、アーニャは彼の心情を悟り微かに笑みを浮かべた。


後日、アーニャはジノの髪の毛を優しくブラシでとかしてやるスザクの図、という非常に珍しい光景を記録することに成功したのだった。

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角川ビーンズ文庫「○マシリーズ」、サンライズアニメ「コードギアス」が大好きな学生です。現在はコンユと枢木スザクさんにのめりこんでおります。
好きなものはラーメン、あられせんべいからみしょうゆ!!
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