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2025/06/29 (Sun)
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2008/10/31 (Fri)

というわけで、勢いに乗って初367SS書いてみました。
どちらかというと、ア-ニャ視点でジノの扱いが若干ひどいです(笑)
それでもいいよ、という方は「続き」からどうぞ!

あ、ハロウィン漫画は37と367+キャメでネタは用意してあるので、後日UPします^^;
最近季節ネタのがしてばっかなんで、今回は意地で頑張ります。

そして本日ザスニ買ってきました。
内容は最終回から4年後のお話でした。
正直・・・今最終回後の37小説、漫画や367話を書いている方は、見ないほうがいいかと思います・・・。
おもにブリタニア側の人々がどうなったか書いてあるので、空想の幅が狭まってしまう可能性があるかと。

私は読み終わった後、悲しいんだかさびしいんだか、なんともいえない気持ちになりました。
でもやっぱりスザクに何らかの救いは与えてやりたいという気持ちは変わらないので、落ち着いたら私も書いてみたいです、最終回後のお話。



■綺麗な薔薇には毒がある■

「猫を被るって、ああいうのをいうんだろうね」

頭上から降ってきたその声に、アーニャは手の中にあるモバイルから顔をあげた。
その先には不機嫌というか呆れたというか、とにかく微妙そうな表情を浮かべているスザクがいる。
その目線をたどっていった先にある光景を見て、アーニャは「あぁ」と頷いた。

「ジノのこと?」

「そう」

彼らの同僚であるジノは今、どこぞの貴族のご令嬢と思われる女性とダンスの真っ最中だった。
普段のおちゃらけた態度からは想像も出来ないほど、今はいかにも紳士といった雰囲気と甘いマスクで周囲の人達を酔わせている。

今夜スザクとジノとアーニャの3人は、皇帝陛下の代理としてある公爵が開いたパーティーに参加していた。
パーティーの始めに適当に公爵に挨拶した後、スザクとアーニャは壁の花となっていたのだが、ジノはそうもいかなかった。
次から次へとダンスを申し込まれ、踊り続けている。
今の相手で一体何人目だろうか。

アーニャがそうぼんやりと考えながら踊る二人を見続けていると、ジノが女性に何事かを囁き、それを聞いた女性は頬を染めうつむいた。

あ、おちた。
この距離ではジノが何と言ったのかは聞こえないが、なんとなくは想像できる。
どうせいつもの口説き文句か社交辞令だろう。
それをまともに受け止めてしまった、初なあの女性には少し同情する。

「また犠牲者が出る」

「犠牲者?」

そう呟いたアーニャの物騒な言葉に、おそらく同じ光景を見ているだろうスザクが反応した。

「あの人、失恋するだろうから」

「…何で?」

「ジノは普段ああいう初で純な人は選ばない。もっと遊びは遊びと割り切った、大人な人が好み」

「相手にすらしてもらえないってこと?」

「そういうこと」

「酷いな、ジノは」

「そうでもない」

「え?」

スザクの言葉を間髪入れずに否定すると、彼は驚いたようだった。
アーニャは踊る二人から目線を外し、隣のスザクの瞳をじっと見据えた。

「中途半端に付き合ってダメになるくらいなら、最初からしないほうがいい。半端に期待を煽るのは、かえって残酷」

「それもそうかもしれないね」

「そう…それに」

そこで一旦切ると、アーニャは再びジノと女性の方に視線を移した。

女性は頬をわずかに紅潮させ、熱がこもった瞳でジノを見つめている。
さしずめ、気分は王子様と踊るシンデレラのようなものだろうか。
残念ながら、その王子様は12時の鐘が鳴ったらあっさりとシンデレラのことを忘れてしまうだろうけど。

「ああいうタイプは一旦恋に落ちると、思い詰めやすい。一途すぎる思いが、自分の身を焼き焦がすだけ。ろくなことにならない」

「アーニャ…」

「何?」

再びスザクの方に顔を向けると、彼は何ともいえない気まずそうな表情を浮かべている。
まぁ、理由はわからなくもない。

「おかしい?15の私がこんなこと言うのは」

図星だったのだろう、スザクはますます居心地悪そうにした。

自分よりも幼い少女が、淡々と自分達の同僚に対するシビアな恋愛観を語っているのだ。
普段アーニャに対して妹のように接しているスザクが複雑な気持ちになるのも無理はない。

アーニャだって語りたくて語っている訳ではないのだが。

「ジノのせい。ジノの側にいると、嫌でもそういうことを感じるようになる」

当の本人がきいたら濡れ衣だと喚きそうだが、事実なのだから仕方がない。
現にアーニャは過去ジノがうっかりそういったタイプの女性に手を出してしまい、その尻拭いを手伝ってやったこともある。
普段は携帯で記録するだけで面倒なことには関わらないのだが、あの時はジノもその相手も相当精神的に追いつめられていたので仕方がなかった。

無事まるく収まったみたいだし、その後しばらくはジノに恩を着せることができたのでよしとする。
普段はアーニャに対して兄貴風を吹かしているジノが、その事件後は頭が上がらないとばかりにへこへこしている姿は非常に貴重なものだった。
アーニャとしてはめったに見れないレアな記録が手に入れられて大満足だった。

ジノもさすがに懲りたらしく、見境なしに遊ぶのは控えるようになった。
以前はアーニャが「ジノは誰彼かまわず遊びすぎ」と注意すると、彼はけろっとした表情で「そんなことないぞ、アーニャ!私だって顔くらいは見る!」と言っていたことを思い返すと大した進歩だ。
それほどジノにとってトラウマになるほどの出来事だったのだろう。

でも、時がたつにつれてその傷は癒やされ忘れさられてしまうものだ。
ただし、また同じような事態に巻き込まれるのだけはごめんだ。

…あ、でも。

そこまで考えて、アーニャはふと隣にいるスザクのことを思い出した。

そうだ、今度そんなことが起きたら、彼を生贄に差し出せばいい。
なんだかんだいってもお人好しなスザクのことだ、アーニャが頼めば確実に引き受けてくれるだろう。
ジノもそのほうが嬉しいだろうし。
そしてアーニャはてんてこ舞いになっているジノとスザクの2人を記録していればいいだけの話だ。

我ながらナイスな考えだ。
思わず口元がほころびそうになる。

こうなってくると、早くその面倒事が起こってはくれないだろうかと期待のこもった眼差しでジノとその女性を見つめたが、どうやら曲が終わったらしく、あっさりと2人は離れてしまった。

思わずちっと舌打ちしてしまう。
スザクがえ、何どうしたのと動揺しているが構ってはいられない。

名残惜しそうな女性に対して優雅に一礼すると、そのままジノはまっすぐアーニャとスザクの方に向かってきた。
まだこっちに来るな、もう少し愛想ふりまいて騒動の種をまいてこい、というアーニャの(心の中での)罵倒も虚しく、ジノは貴公子の仮面を外し2人に思いっきり抱きついた。

「ぅあ~、疲れた!ただいま私のオアシス達!寂しかった?」

さっきまでの貴公子はどこいった、と問いただしたくなるほどの変貌ぶりだ。
ジノの私生活と公の場での切り替えの見事さは賞賛に値する。
今や柔らく優雅、それでいて堂々とした物腰で周囲を圧倒した美男子の面影はかけらもない。
いるのはただへらへらと笑いながら、腕の中のスザクとアーニャにしなだれかかる情けない男だけ。
その上スザクには嬉しそうに頬ずりさえする始末だ。
すぐに力ずくで引きはがされたけれど。

「うぅっ、スザクひどい…」

「ひどくないよ。人前であんまり馴れ馴れしくしないでくれ」

「何だよ、今更だろ~?私とお前の仲じゃないか!」

「………」

「スザクぅ~…」

明後日の方向を見つめているスザクを抱きしめているジノは、さながら構ってくれない主人にすがりつく大型犬、といったところだろうか。
どちらにせよ、情けないことには変わりはないけれど。

ほんとに、何で貴族のお嬢様はこんなジノにころっとやられてしまうのだろう。
それだけジノの猫かぶりが徹底しているからかもしれないけれど。

「ジノ」

「んっ、なんだいアーニャ?」

アーニャがジノの上着の裾を引っ張ると、先ほどまでスザクにしがみついていた情けない表情から一転、ジノは爽やかな笑顔を浮かべて見せた。
本当に切り替えの早い男だ。

「さっきの人、誰?」

「…さっきの人?あぁ、私が踊っていた女性のことか?」

「そう」

アーニャがこっくりと頷くと、ジノは腕を組んでう~ん、と唸りだした。

「…まさか、覚えてないの?」

「いやいやいや、そんなことはないぞ!ちょっと待ってろ……あ~、確かどこぞの男爵家の何番目かのお嬢さんだったかな?」

「ほとんど覚えてない」

思わずアーニャがジト目で睨むと、ジノは肩をすくめてみせた。

「仕方ないだろ?初めて見た顔だったし、家柄もそんなにインパクトなかったから覚えてないんだよ。まぁそのうちまたどっかの夜会で会うだろうし、気になるんだったらその時確認するけど?」

そのジノの台詞を聞いたとたん、アーニャとスザクは顔を見合わせ、そして同時にため息をついた。

「な、なんだよ2人して?」

ややうろたえるジノをよそに、スザクとアーニャはお互いに肩を寄せ合った。

「…アーニャ、絶対にこういう男に引っかかっちゃ駄目だよ?」

「心配いらない。ジノみたいな男は始めから眼中にない」

「そうかい?それはよかった」

「それより私はスザクの方が心配」

「え、何で?」

「何でも」

「ふ~ん…よくわからないけど、気をつけるよ」

「そうして」

そこでついに我慢できなくなったのか、ジノが急に割り込んできた。

「何だよ何だよ、二人して!私だけ仲間外れかよ!?私も仲間に入れてくれってば!」

「ジノ、うるさい」

「ジノ、ウザい」

空気を読まずに二人の世界に割り込んできた無粋ものには制裁が必要である。
帝国最強12騎士、ナイトオブシックスとセブンの渾身の一撃をまともに腹にくらった哀れなナイトオブスリーの断末魔は、しかしパーティー会場の人々の談笑やら音楽やらにかき消され、誰の耳にも届くことはなかった。

rahu144.jpg








■ただ(無自覚で)女たらし、そしてオンオフの切り替えが見事なジノが書いてみたかっただけです^^
367大好き!!

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