ここは当サイト■Leo■の日常話や今後の更新予定などをしていく場所です。
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2008/07/12 (Sat)
ジノスザ小話UPしました。
ジノがスザクの1こ下の17歳、という衝撃的事実に「うそだぁぁぁ!」と絶叫し、その場の勢いで書いたものです。
『ザ・スニーカー』6月号の後日談的な話なので、未読の方だといまいち話がわかりにくいかもしれません。
ちなみに先月発売された8月号の内容には触れていません。
大丈夫な方は「続き」からどうぞ!
―何で自分は、こんなところにいるんだろう。
と、枢木スザクは手に持ったワイングラスを持て余しながら、ぼんやりと考えていた。
…いや、なぜ自分がここにいるのかはわかる。
ここにやってくるまでの記憶もきちんとある。
いくらなんでも、そこまで自分はバカではない。
問題は、なぜ自分がここにいる必要性があるのか、わからないことだった。
■年下のオトコノコ■
「ス~ザク、なにぼけっとしてるんだ?ちゃんと楽しんでるか?」
目の前の所狭しと並んでいる色とりどりのブリタニア料理の皿に手をつけず 、ただワイングラスを手に持ったままのスザクを見かねたのか、隣から声をかけてきた男がいた。
金髪碧眼の絵に描いたような美男子にして、帝国最強騎士の一人、ナイトオブスリー、ジノ・ヴァインベルグである。
ついでにスザクをここに連れてきた張本人でもある。
御前試合の後突然キャメロットの格納庫に現れたジノは、ほとんど初対面なのにも関わらず、いきなりスザクにフレンドリーに接してきた。
試合前とは打って変わったジノの態度にスザクが目を白黒させてうまく対応できずにいるのをいいことに、ジノはそのまま彼を引きずって自宅での宴に誘った…というよりは、さらっていった。
あれよあれよという間に車に乗せられ、豪奢な屋敷に着いたかと思うと「パイロットスーツで宴じゃマズいだろ」だとかで屋敷の一室に放り込まれ、メイドたちにもみくちゃにされてスーツからゆったりとした室内着(しかもフリル付き)に着替えさせられ、その後はこれまた豪華な食堂に連れて行かれて椅子に座らされ、さあどうぞ召し上がれと言わんばかりにドンドンと料理の皿が並べられ、気がついたら「はい、乾杯な!」と右手にワイングラスを握らされたスザクがいた。
ここまでくると、もうどうにでもしてくれというまな板の鯉状態に思えてくる。
スザクはちろりと横目でジノを伺った。
「…ヴァインベ」
「だからジノって呼べって。頭堅い奴だな~」
…最後まで言い終わらない内に遮られてしまった。
「…ジノ」
「うん、何だい?」
改めて呼びなおすと、にこにこと笑みを浮かべながらこちらを見つめている。
御前試合前のあの態度はどこ行ったんだ。
「ジノ、これは一体…?」
「だから言っただろ、スザクを歓迎する宴だって。ほら、早く食べないと料理さめちゃうぞ?」
そう言うと、ジノは自分の前にあった皿をスザクの方に押しやった。
美味しそうなラム肉のソテーに、思わずつばを飲み込んだが、ここはまず自分の疑問を解決するべきだとスザクは自分の頭と胃袋に言い聞かせた。
「でもさっき、試合前に…」
「あ~、あれ?あれはただお前がどんな反応するか見たかっただけだよ。私、基本的にブリタニア人とかナンバーズとかどうでもいいし?必要なのは実力だろ、実力」
「そう、なんだ…」
これはまた意外なことをきいた。
ロイド以外でこんな考え方をもつブリタニアの貴族の軍人は初めてだ。
いや、そもそも自分はロイド以外の貴族で、尚且つ軍人な人間とはあまり面識がなかったけれと゛。
それでも、他の軍人達と違ってあからさまにナンバーズに対する軽蔑を示さないジノには好感を覚えた。
ブリタニアの貴族の中にもこんな人がいるんだ、 と少し嬉しくなる。
とりあえず自分の疑問は解決できたことだし、ここは素直に好意に甘えておくべきだろう。
スザクは手に持っていたワイングラスを脇に置き、目の前の料理にありつこうとした。
久しぶりのまともな食事だ。
そんなスザクの様子を笑みを浮かべて見守っていたジノだったが、脇に置かれた手付かずのワイングラスをちらりと見やった。
「…お前、ひょっとしてワイン飲めなかったりするのか?」
何気ないジノの質問に、スザクはラム肉を切り分けながら答えた。
「いや、僕は一応未成年だから」
スザクの答えに、ジノはわずかに眉をしかめた。
「ほんと、律儀な奴だなぁ。今時そんなの真面目に守っている奴見たことないぞ?…ってことは、あと5年は禁酒禁煙を貫くってことかい?」
からかうようなジノの言葉に、さすがにスザクもむっときた。
ということは、何か。
自分は彼には15歳くらいにしか見えないということだろうか。
冗談じゃない。
童顔童顔と言われてきたが、身長は日本人にしては高い方だし、体だって昔から鍛えているから、そこらのブリタニア人男子にひけはとらないと自負している。
いくらなんでもそこまで幼くは見えないだろう。
「…まさか。あと2年で解禁だよ」
視線は目の前のラム肉に固定したまま、そっけなく言ってやった。
びしっ。
…すぐ隣で、何かが固まる音がした。
しばらく待ってみたがジノから何の反応もないので、そっと様子を伺ってみる。
隣に座るジノは先ほどまでの笑顔はどこへやら、見事に固まってしまっている。
何かまずいことでも言ってしまったのだろうか?
「あの…ジノ?」
そっと声をかけてみると、ジノはゆっくりとこちらに顔を向けた。
心なしか、少し顔が強張っているように見える。
「…2年?今、2年って言ったか?」
「あ、あぁ…言った、けど?」
よくわからなかったが、事実なので頷いた。
どうやら動揺しているらしいジノは、こめかみに手を当てながら「ちょっと待て」とか「落ち着け、落ち着くんだ私」とか小声でぶつぶつと唱えている。
…何なんだ、一体。
しばらくそんな彼の様子を眺めていたが、ようやく気をとりなおしたらしく、ジノはスザクの方に向き直った。
「…よし、スザク。正直に答えてくれ。お前、何歳なんだ?」
少し震えているジノの唇から紡ぎ出された質問に、スザクは要求通り正直に、そして実に簡潔に答えた。
「今年で18になるよ」
次の瞬間、ヴァインベルグ家の広大な屋敷中にジノの絶叫が響いた。
「…スザク~、嘘つきは泥棒の始まりだって親から教わらなかったか?」
「親じゃないけど、僕の武道の師匠になら習ったよ。言っておくけど、僕は嘘をついていない」
「…スザク~、年さば読んでもいいことなんかないぞ?私怒らないから、正直に答えなさい」
「だからさば読んでなんかないってば」
一通り叫んで気がすんだらしいジノは、今は力なく椅子にもたれ掛かり、さっきから延々と同じような質問を繰り返している。
それにいちいち答えてやっていたスザクだったが、そろそろ我慢の限界だ。
そんなに信じられないのか、それとも信じたくないのだろうか?
「いい加減諦めてくれないかい、ジノ。僕は今年で間違いなく18になる」
「やだね。私は諦めない!諦めたらそこで終わりだ!」
「…いや、そこでかっこよく宣言されても困るんだけど。だいたい、そういう君はいくつなんだ?」
いい加減この押し問答に疲れてきて、スザクは話題を変えようと試みることにした。
すると、ジノは少し顔をしかめ、そっぽを向きながらぼそりと呟いた。
「…じゅうなな」
「………………は?」
今、何だかありえない数字が聞こえたような気がした。
「ごめんジノ、ちょっと聞き取れなかったみたいだ。もう一度言ってくれないか?」
「だから、17歳。花も恥じらうお年頃」
「…へぇそっか、17かぁ。そうだよねまさに青春真っ盛りだよね、はは懐かしいな僕にもそんな頃が……って、えぇっ!?」
思わずのりつっこみをしてしまった。
「17!?その図体で17!?ありえないだろ!」
「い~や、実はありえるんだよなぁ、これが。現に私、正真正銘の17歳だし?むしろお前が18歳っていう方がありえないだろ、普通」
「僕は仕方がないだろ、人種の違いなんだから!っていうか君、未成年の癖に何でワインを飲んでいるんだよ!?ルール違反で捕まるぞ!?」
「これも貴族の嗜みの一つだ、仕方ないだろ」
「……嘘だ……」
「それはこっちの台詞だ。…ったく、絶対年下だと思っていたのに。お陰で今後の予定が…」
今後の予定って何だ。
そう突っ込みたいが、そうするだけの気力はもはやスザクには残っていなかった。
予想外のこの事態に、頭がついていっていない。
頭を抱えながら呻いているスザクを見つめながら、ジノはワイングラスをくいっとあおった。
「…まぁ、年上っていうのも、それはそれで燃えるか」
何を燃やす気なんだ、君は。
それはごく小さな呟きだったが、聴力も人並み以上に優れているスザクの耳にはばっちり届いた。
なんとなく我が身の危険を覚えたが、今の憔悴しきった自分にとっては些細なことに思えた。
もうどうにでもなれ。
そんな自暴自棄な思いを持て余したスザクは、今まで手を着けていなかったワイングラスを手に取り、一気に中身を飲み干した。
今日ぐらいは飲み慣れないアルコールで酔ってしまいたかった。
これは常日頃から自分の中で決めているルールに違反するものだが、この際目をつぶることにする。
それはジノも同じらしく、その後二人は次々とワイングラスをあおり、ボトルを空にしていった。
…翌日、キングサイズのベッドの上で目を覚ましたスザクは、何故か素っ裸の自分と隣で満ち足りたように眠るジノ(ついでに彼も自分と同じく素っ裸)、という状況に再び頭を抱えることになるのだが、それはまた別のお話。
○「よう!新入り」とか、「ラウンズには番号の順番はあっても、身分の上下はないんだぜ?」などスザクに対して先輩ぶってたら実は相手は年上でした、という事実に大騒ぎするジノが書きたかったのですが、むしろスザクが大騒ぎするような内容になってしまいました^^
とりあえずスザクさんはそのままジノの家でお泊りしたに違いない!
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あけび
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自己紹介:
角川ビーンズ文庫「○マシリーズ」、サンライズアニメ「コードギアス」が大好きな学生です。現在はコンユと枢木スザクさんにのめりこんでおります。
好きなものはラーメン、あられせんべいからみしょうゆ!!
のんびりまったり更新中。
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