ここは当サイト■Leo■の日常話や今後の更新予定などをしていく場所です。
同人的要素が含まれますので、苦手な方でもし迷い込んできてしまったなら、すぐにバックすることをお勧めします。
2008/11/13 (Thu)
書きたいワンシーンだけがぽっと思い浮かび、その前後が思いつかなくて没にすることが多い今日この頃。
でもせっかくだから、投下してみようかなという試みです。
SSですが、それでもよければどうぞ~。
■ジノVS券売機
忙しくなく通り過ぎるサラリーマン。
路線の状況や乗車案内を告げるアナウンス。
そして目の前にはボタンだらけのヘンテコな装置。
券売機というらしい。
そう、ジノは駅にいた。
ジノから少し離れた位置にはスザクが佇み、じっとジノを見守っている。
そしてジノは珍しく真摯な表情で、その澄んだ青い瞳を券売機にそそいでいた。
これが年頃のお嬢さんだったら可愛らしく頬の一つでも赤く染めてみせたのだろうが、悲しいかな相手は券売機。
金属でできた装置は何の反応も示さず、ただじっとジノが切符を買ってくれるのを待っている。
今日は二人とも珍しくオフの日だったので、ジノ曰わく庶民デートに繰り出すことにしたのだ。
しかし、ここで一つ問題が発生した。
せっかくだから遠出をしたいというジノの希望と、お忍びだから黒塗りの高級車で出かけるのはごめんだというスザクの主張を考慮した結果、移動手段が電車しか残っていないことだった。
そのことに対する二人の反応はまるっきり正反対で、ジノは喜色満面、スザクはうんざりとした表情を浮かべた。
なにしろ普段のジノの交通手段といえば徒歩か車かトリスタン、なのだ。
電車などという公共機関とは縁がない。
以前どうしても電車を利用しなければいけなかったとき、切符を買うのが面倒でスザクはジノに磁気カードを渡したことがあった。
「これを使って改札を通ればいいんだよ」としかスザクはジノに説明しなかったことを、後に盛大に後悔するはめになってしまった。
ジノは何をどう勘違いしたのか、磁気カードを切符の投入口に突っ込んだのだ。
そしてどれほどの力を込めたのかはわからないが、そのカードを真っ二つにするという伝説を残してくださったのだった。
あのとき、確かにその場の空気は凍ったのが肌でわかった。
そこで前回の失敗を踏まえ、今回は切符を購入することから始めることにした。
一通り券売機の利用方法について丁寧に説明し、あとは実践あるのみとスザクはジノの動向を見守ることにした。
いつもスザクの予想の斜め上をいく行動力を持つジノのことだ、今度は何をしでかすのだろうとスザクは少し緊張していた。
一方、ジノはある一つの問題に直面していた。
お金を入れて、自分が下車する駅までの料金ボタンを押せばいいだけの話だ。
そう、それだけの話なのだ。
…けれど。
ジノはちらりと問題の箇所に目を向けた。
そこには小さな穴があり、ご丁寧にも投入口と書いてある。
おそらくここにお金を入れればいいのだろう。
…だが。
ジノにとってのお金とはカードだった。
基本的にジノは財布を持ち歩かない主義である。
なぜならこれ1枚で何でも買うことができたからだ。
だが、いくらこの万能のカードでも、この投入口には入りそうにない。
…いや、でももしかしたら頑張れば入るかもしれない。
だって万能だし。
いやいやでも、いくらなんでも…。
などとジノは腕を組み、ひたすら悶々と悩んだ。
そんな彼の背中を、スザクは相変わらずじっと見つめている。
と、そこでジノが動いた。
どうやら悩むことに飽きたらしい。
おもむろにズボンのポケットからカードを取り出すと、そのまま勢いよく券売機の投入口に突っ込もうとした…が。
「はいストップ」
今まで傍観していたはずのスザクが、いつの間にかジノの腕を掴んでいた。
「な、なんだよスザク?」
めったにないスザクからのスキンシップは嬉しいが、券売機との勝負を中断されたジノは少し不満そうだった。
「ジノ、いくら何でもこのカードの大きさじゃ入らないだろ?これはコイン投入口だから、硬貨を入れるんだよ」
そう言うと、スザクは財布から取り出した硬貨をジノの手のひらの上にそっと置いてやった。
試しに硬貨を入れてみると、それはちゃりんと軽やかな音を立てては投入口に吸い込まれた。
するとボタンに明かりがともり、目的のボタンを押すと小さな長方形の紙が出てきた。
切符というものらしい。
「よくできたね」
ジノが2枚ある内の1枚を手渡すと、スザクはジノの頭を撫でてくれた。
一方、ジノは少し不満そうに眉をしかめている。
何だか腑に落ちないことがあるからだ。
「スザク、硬貨が必要なら何で最初に言ってくれなかったんだよ?」
そうジノが問いかけると、スザクは笑顔を浮かべ、こう答えた。
「ごめん、うっかりしてたよ。途中で気がついたんだけど、君がどんな反応するのかちょっと気になったんだ。そしたら予想通りだったから、面白かったよ」
そう言ったスザクの笑顔は、ジノが見てきた中でも一番満足そうだった。
■普段自分の予想を超えた突飛な行動をする相手が、自分の予想通りの行動をしたりすると、妙に気持ち良かったりするもんです。
こんな感じの駄文をちょこちょこ投下していく予定です。
日常生活の中でも、ちょっと視点を変えてみれば色々とネタは転がっているもんですね^^
忙しくなく通り過ぎるサラリーマン。
路線の状況や乗車案内を告げるアナウンス。
そして目の前にはボタンだらけのヘンテコな装置。
券売機というらしい。
そう、ジノは駅にいた。
ジノから少し離れた位置にはスザクが佇み、じっとジノを見守っている。
そしてジノは珍しく真摯な表情で、その澄んだ青い瞳を券売機にそそいでいた。
これが年頃のお嬢さんだったら可愛らしく頬の一つでも赤く染めてみせたのだろうが、悲しいかな相手は券売機。
金属でできた装置は何の反応も示さず、ただじっとジノが切符を買ってくれるのを待っている。
今日は二人とも珍しくオフの日だったので、ジノ曰わく庶民デートに繰り出すことにしたのだ。
しかし、ここで一つ問題が発生した。
せっかくだから遠出をしたいというジノの希望と、お忍びだから黒塗りの高級車で出かけるのはごめんだというスザクの主張を考慮した結果、移動手段が電車しか残っていないことだった。
そのことに対する二人の反応はまるっきり正反対で、ジノは喜色満面、スザクはうんざりとした表情を浮かべた。
なにしろ普段のジノの交通手段といえば徒歩か車かトリスタン、なのだ。
電車などという公共機関とは縁がない。
以前どうしても電車を利用しなければいけなかったとき、切符を買うのが面倒でスザクはジノに磁気カードを渡したことがあった。
「これを使って改札を通ればいいんだよ」としかスザクはジノに説明しなかったことを、後に盛大に後悔するはめになってしまった。
ジノは何をどう勘違いしたのか、磁気カードを切符の投入口に突っ込んだのだ。
そしてどれほどの力を込めたのかはわからないが、そのカードを真っ二つにするという伝説を残してくださったのだった。
あのとき、確かにその場の空気は凍ったのが肌でわかった。
そこで前回の失敗を踏まえ、今回は切符を購入することから始めることにした。
一通り券売機の利用方法について丁寧に説明し、あとは実践あるのみとスザクはジノの動向を見守ることにした。
いつもスザクの予想の斜め上をいく行動力を持つジノのことだ、今度は何をしでかすのだろうとスザクは少し緊張していた。
一方、ジノはある一つの問題に直面していた。
お金を入れて、自分が下車する駅までの料金ボタンを押せばいいだけの話だ。
そう、それだけの話なのだ。
…けれど。
ジノはちらりと問題の箇所に目を向けた。
そこには小さな穴があり、ご丁寧にも投入口と書いてある。
おそらくここにお金を入れればいいのだろう。
…だが。
ジノにとってのお金とはカードだった。
基本的にジノは財布を持ち歩かない主義である。
なぜならこれ1枚で何でも買うことができたからだ。
だが、いくらこの万能のカードでも、この投入口には入りそうにない。
…いや、でももしかしたら頑張れば入るかもしれない。
だって万能だし。
いやいやでも、いくらなんでも…。
などとジノは腕を組み、ひたすら悶々と悩んだ。
そんな彼の背中を、スザクは相変わらずじっと見つめている。
と、そこでジノが動いた。
どうやら悩むことに飽きたらしい。
おもむろにズボンのポケットからカードを取り出すと、そのまま勢いよく券売機の投入口に突っ込もうとした…が。
「はいストップ」
今まで傍観していたはずのスザクが、いつの間にかジノの腕を掴んでいた。
「な、なんだよスザク?」
めったにないスザクからのスキンシップは嬉しいが、券売機との勝負を中断されたジノは少し不満そうだった。
「ジノ、いくら何でもこのカードの大きさじゃ入らないだろ?これはコイン投入口だから、硬貨を入れるんだよ」
そう言うと、スザクは財布から取り出した硬貨をジノの手のひらの上にそっと置いてやった。
試しに硬貨を入れてみると、それはちゃりんと軽やかな音を立てては投入口に吸い込まれた。
するとボタンに明かりがともり、目的のボタンを押すと小さな長方形の紙が出てきた。
切符というものらしい。
「よくできたね」
ジノが2枚ある内の1枚を手渡すと、スザクはジノの頭を撫でてくれた。
一方、ジノは少し不満そうに眉をしかめている。
何だか腑に落ちないことがあるからだ。
「スザク、硬貨が必要なら何で最初に言ってくれなかったんだよ?」
そうジノが問いかけると、スザクは笑顔を浮かべ、こう答えた。
「ごめん、うっかりしてたよ。途中で気がついたんだけど、君がどんな反応するのかちょっと気になったんだ。そしたら予想通りだったから、面白かったよ」
そう言ったスザクの笑顔は、ジノが見てきた中でも一番満足そうだった。
■普段自分の予想を超えた突飛な行動をする相手が、自分の予想通りの行動をしたりすると、妙に気持ち良かったりするもんです。
こんな感じの駄文をちょこちょこ投下していく予定です。
日常生活の中でも、ちょっと視点を変えてみれば色々とネタは転がっているもんですね^^
PR
この記事にコメントする
カレンダー
05 | 2025/06 | 07 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 |
8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 |
15 | 16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 |
22 | 23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |
29 | 30 |
フリーエリア
最新CM
[10/09 あけび]
[09/29 nana]
[08/17 あけび]
[08/17 あけび]
[08/02 もへ]
最新TB
プロフィール
HN:
あけび
性別:
女性
職業:
学生
趣味:
テニス、読書
自己紹介:
角川ビーンズ文庫「○マシリーズ」、サンライズアニメ「コードギアス」が大好きな学生です。現在はコンユと枢木スザクさんにのめりこんでおります。
好きなものはラーメン、あられせんべいからみしょうゆ!!
のんびりまったり更新中。
好きなものはラーメン、あられせんべいからみしょうゆ!!
のんびりまったり更新中。
ブログ内検索
カウンター